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延焼の恐れがないことマンションは、上階や隣住戸を隔てている壁や床・天井が不燃材料の鉄筋コンクリートでできているので、もともと延焼が起きにくい構造となっている。
このときポイントになるのが、玄関やバルコニー側の開口部である。
まず、主玄関のドアは防火戸になっていることが大切だ。
一般に甲種防火戸が使用されている。
ドアに厚さ1.5mm以上の鉄板が入っているものや、骨組みが鉄骨で0.5mm以上の鉄板が両面に張ってあるものがこれにあたる。
次に主開口部は上階住戸への火の手がまわらないように、50cm以上の突出した庇かバルコニーが設けられていること。
また、バルコニー側の隣住戸に対しては、それぞれの住戸の開口部の開か90cm以上離れていることがポイントである。
2方向の避難路が確保されていること火災が発生したときに一方がだめでも、他方から逃げ出せるようになっていることが大切である。
つまり、2方向避難が可能であること。
想定される避難路は主玄関とバルコニーであるJここでポイントなるのはバルコニー。
隣住戸とつながっている場合は、簡単に打ち破られる仕切り板が設けられていること。
独立している場合は、下階に下りられるように避難ハッチがあることが、チェックポイントだ。
火災報知器が設置されていること火災の発生を早い時期に知ることができれば、火の手が小さいうちに消火したり、避難がしやすい。
自動的に火災の発生を住戸の内外に知らせる報知器が適切な場所に設置されているかどうかを調べておきたい。
R防火区画を小刻みにこのほか11階以上の専有面積がlOOが以上の広い住戸では、住戸内にも防火戸の設置が義務づけられている。
こうすることで防火区画を小さくして、火災が起きたときにそこだけで食い止めて被害が拡大しないようにし、避難も容易にできるようになるのである。
また、一定規模以上のマンションでは、屋外に消防隊専用栓設備が要所に設置されていることも大切だ。
安全を求めるなら施工精度にも関心を持とう旬怖いのは施エミス建築基準法や消防法などでがっちり守られているマンションだが、外見こそ体裁を整えていても、実が伴っていない場合もある。
最も怖いのが施工に落ち度があったときだ。
延焼事例を見ると、窓や廊下などのように目に見える個所よりも、思いがけないところから火の手が上がっている。
多くの人は、上と下の階の住戸は、鉄筋コンクリートのスラブで完全に分離されていると思っているかもしれない。
しかし、そんなことはないのである。
上下階の住戸は、図30のようにスラブを貫通した給排水管などで結びついているのである。
ただ、普段はこれらのパイプ類がパイプシャフトなどで密閉されているので目につかないだけのことだ。
パイプ穴の埋め戻しは完全かパイプ(共用管・タテ管)を貫通させる際にはスラブに少し大きめの穴を開け、貫通後にその隙間を埋め戻すことになっている。
このとき、穴埋めが不十分だと、下階で起きた火災がその穴に侵入して、上階住戸に延焼してしまうのだ。
遮音性能という面でも問題である。
また、住戸内の床下や天井裏を這うパイプ(専用管・ヨコ管)に塩化ビニルなどの燃える材料が使用されている場合は、タテ管からlm以上はタテ管と同じように金属管などの不燃材にすることが決められている。
排気ダクトも同様に、不燃材で包み込まれていることが大切だ。
これらは目で確かめることが難しい。
図面上は規定通りおこなっていても施工に落ち度があったかどうかを確認するのははとんど不可能だ。
気づいたときは火災に見舞われたときというのでは、遅いのである。
こうなると建設会社や施工会社を信頼するよりほかはないということになる。
それらの会社が過去にどんな実績があるのか、問題を起こしたことはないのかをよく調べる必要があるということだ。
鉄筋コンクリートの寿命は何年?
弱点を互いの長所で補い合うマンションの躯体は、鉄筋とコンクリートでつくられている。
このふたつは絶妙のコンビといっていい。
お互いの弱点をそれぞれが持っている長所で補っているのである。
鉄筋の弱点はサビやすいことと曲がりやすいことだ。
まず、サビに対してはコンクリートはアルカリ性でできているので、鉄筋の酸化(サビ)を防いでくれるのである。
次に鉄筋は針金を太くしたようなものだから圧力がかかると簡単に曲がってしまう。
それを圧縮に強いコンクリートで包み込むことでがっちりガードしているのである。
コンクリートは圧縮には強いが引っ張りには弱い。
対して鉄筋は引っ張られる力に強いので、コンクリートを強固にしているのである。
しかも両者ともに温度変化による膨張率は同じ。
暑い日には一緒に伸びて、寒い日には一緒に縮小するのである。
鉄筋コンクリートはいかに腐食するか互いに助け合って強度を高めている鉄筋とコンクリートだが、歳月による腐食は避けがたい。
鉄筋コンクリートが腐食していくのはアルカリ性たったコンクリートが、空気中の炭酸がスなどと化学反応を起こして、徐々に中性化するためだ。
中性化するとなかの鉄筋がサビやすくなってしまうのである。
鉄筋はサビると膨張するのでコンクリートを外へ押し出してひび割れを生じさせる。
ときにはコンクリートが剥落するケースもある。
それをほうっておくと雨水などが侵入して、ますます鉄筋はサビやすくなってしまう。
こうなると悪循環だ。
かぶり厚さは厚いのがよい鉄筋の表面をおおっているコンクリートのことを「かぷり」と呼んでいる(図31-②参照)。
このかぶり厚さが厚ければ厚いほどコンクリートの中性化か鉄筋部分まで届くのに時間がかかることになるので、どれだけの厚みがとってあるかはチェックポイントのひとつだ。
また、鉄筋は火に弱いのでコンクリートがそれから守るという大切な働きもする。
建築基準法では建物の耐力にとって主要な柱や梁を包むコンクリートのかぶり厚さを30mm以上と決めている。
外部環境やコンクリートの質、表面仕上げの程度、ひび割れ状況にもよって幅はあるが、これだけあれば中性化か鉄筋に届くまでに二十数年から数十年ほど要するという測定結果が出ている。
また、斜ベターリビングの優良集合住宅認定基準では、かぶり厚さを規定している。
たとえば、柱や梁、床スラブは屋内側、屋外側などによって異なるが、30mm~50mm以上としている。
また、コンクリートが直接空気に触れないように表面を吹きつけタイルなどで仕上げることも有効である。
ひび割れ対策はされているかコンクリートを打つときの設計・施工がどのように行われているかも大切なポイントだ。
そのひとつがひび割れ対策の有無。
ひび割れは前述のように鉄筋コンクリートの大敵だが、これは鉄筋がサビて起きるときだけではない。
コンクリートを打ったあと、乾燥していく段階でも生じるのである。
先にかぶり厚さは厚いほどよいと述べたが、厚いと乾燥によってコンクリートの収縮の差がそれだけ大きくなるので、いっそうひび割れが起きやすくなるという面があるのだ。
そこで当初からひび割れが起きることを予定しておいて、切り込みを入れてひび割れがわざと起きやすい個所をつくり、ひび割れが生じても水が侵入しないようにコーキングしておくのである。
この個所のことを誘発目地という。
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